研究内容

Posted by: kyanobi

分子遺伝学的な実験手法はめざましい発展を続けています。これらには、NGSを始めとし、数万種類の遺伝子の発現様式を同時に調査し得るマイクロアレイ、生体内の多数のタンパク質や代謝産物の量を一括して測定し得る質量分析装置などが含まれます。これらの手法から得られる大規模情報はオミックス情報と呼ばれ、ゲノムやトランスクリプトーム(発現遺伝子の集合体)、プロテオーム(タンパク質の集合体)、メタボローム(代謝産物の集合体)などがあります。

近年、Webデータベース上に、オミックス情報が急速に蓄積しています。Web上からオミックス情報を収集・解析することにより、新たな生物学的知見の導出が加速化することは明らかです。ここで、大規模オミックス情報を活用するには、数理統計学やコンピューター・プログラミングの知識とスキルが要求されます。そこで、生物学と情報科学の融合領域として、バイオインフォマティクスと呼ばれる新たな研究分野が、ゲノム解読プロジェクトと共に、発展してきました。
近年のオミックス情報の大規模化は、多様な解析を実現する一方で、解析処理に膨大な計算機リソース(CPU、メモリー、計算時間など)を要求するため、解析そのものを困難としています。大規模化するオミックス情報を活用するためには、汎用的な計算機(たとえば、パーソナル・コンピューターやワークステーション)でも、大規模情報を短時間で処理し得る新たな解析手法の確立が不可欠です。我々のプロジェクトでは、大規模オミックス解析を実現する基盤を世界に先駆けて整備することを目的とし、これまでに、NGSから得られる大規模な遺伝子発現情報の解析システムを構築しました。
また、大規模解析から得られた情報を簡便に抽出するためのシステムとして、Webデータベースが極めて効果的です。当研究室では、これまでに、OryzaExpress、OsMES(イネ)、MiBASE, KaFTom, TOMATOMICS(トマト)、JADB(ウメ)などのデータベースを構築・運営し、大規模なオミックス情報を分かりやすく世界に発信しています。
 
本研究室では、バイオインフォマティクスを専門とする教育・研究を行っています。国内では、依然として、バイオインフォマティクスの知識やスキルをもつ研究者が少なく、専門教育を実施する大学も希有です。学内外の学部学生、大学院生、技術員、 ポスドクを始め、多くの若手研究者の育成を目指しています。進学やPDなどで興味のある方は、矢野までメールをください。